【翻訳】レビュー『ジャック・ザ・リッパー』血色に彩られたロマンスミステリーで描いた混沌時代の自画像 善と悪 二つの顔を見せるリュ・ジョンハンの熱演引き立つ

   2016/08/28

レビュー『ジャック・ザ・リッパー』血色に彩られたロマンスミステリーで描いた混沌時代の自画像 善と悪 二つの顔を見せるリュ・ジョンハンの熱演引き立つ

1888年ロンドンのホワイトチャペルで実際に起きた連続殺人事件を再構成したミュージカル『ジャック・ザ・リッパー』が3年ぶりに国内公演を行っている。

『ジャック・ザ・リッパー』は未解決連続殺人事件を解決しようとする刑事と希代の殺人魔の話を緻密な構成で解き明かした作品。

捜査官アンダーソンの事件報告で始まるミュージカル『ジャック・ザ・リッパー』は事件を追う形で進む劇中劇で、パズルのかけらのように絡まった殺人魔の存在を暴いていくスリラーミュージカルだ。

今回のシーズンに合流したキャストであるリュ・ジョンハン(ダニエル)、チョ・ソンユン(アンダーソン)、テイ(ジャック)の熱演によって今までとはひと味違った魅力が発揮され観客の心を捕らえている。

3人の俳優全員が圧倒的なカリスマ性を発散し、観て聞く楽しさをもたらしてくれる。

特に、純粋さの中にまた違った秘密を隠しているダニエル役のリュ・ジョンハンと退廃的な捜査官として新たな演技への挑戦を試みたチョ・ソンユンの、客席の緊張を緩ませるメリハリのきいた演技も逸品だ。

作品は、愛する女性のために危険な取り引きをする外科医ダニエルが握っている事件解決の糸口とアンダーソンの捜査が緻密に組み合わさり、緊張感のある展開を披露する。

既に何度も公演を観て結末が分かっていたとしても、最後に再び目にする反転はこの作品の中でも白眉のできだ。

ジャックを追う‘アンダーソン刑事’を先頭に、真実に向かって粘り強く追い詰める展開と、二重の回転舞台で繰り広げられる場面演出、ヨーロッパミュージカルのクラシック調でありながらも大衆的なナンバー、華麗な舞台技術によって150分を超える公演時間があっという間に過ぎていく。

チェコ原作のライセンスミュージカルであるが、あらすじ、歌、舞台など90%以上が韓国情緒に合わせて再創作され‘原作を超える完璧さ’という評価を受けた作品だけに、今回のアンコール公演もまた好評を博している。
特に今回の公演はオーケストラの旋律が加わり、壮大で緊張感溢れる雰囲気がアップグレードされた。

最近封切られた映画『国家代表2』での好演に続き‘ミュージカル俳優としての再発見’という評価を受けているキム・イェウォンの演技も注目に値する。

観客の心を強く惹きつけるミュージカル『ジャック・ザ・リッパー』の公演は、10月9日まで新道林D-CUBEアートセンターで続く。

今回のシーズンにはダニエル役のリュ・ジョンハン、オム・ギジュン、カイ、アンダーソン役のキム・ジュンヒョン、パク・ソンファン、チョ・ソンユン(チョ・カンヒョン)、ジャック役のイ・チャンヒ、テイ、モンロー役のチョン・ウィウク、キム・テジョン、グロリア役のキム・ボギョン、キム・イェウォン、ポリー役のチョン・ダニョンが出演する。

連続殺人事件の中に隠された一人の男の純愛の終わりはどうなるのだろうか?‘血色に彩られたロマンスミステリーで描いた混沌時代の自画像’が答えになるだろうか?驚くべき反転の実態を知りたければ、ディーキューブアートセンターで直接確認してみてほしい。

ブリッジ経済より
翻訳 リュ・ジョンハンプロジェクト
原文記事はこちら 

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