【記事翻訳】『フランケンシュタイン』帰って来たリュ・ジョンハン。強烈で強烈だ

 

「フランケンシュタイン」帰って来たリュ・ジョンハン。強烈で強烈だ
2018.07.07

 何度も再演されるミュージカルはシーズン毎に似たり寄ったりになりがちだ。しかし、その小さな差が観客を再び劇場へと呼び込む力なのかもしれない。3年ぶりに上演される『フランケンシュタイン』をより一層、力強く作り上げる要素を1つ挙げるとすれば、それはおそらく、「帰って来たビクター」リュ・ジョンハンだろう。

 「フランケンシュタイン」は神の領域に挑戦する人間と、そんな人間に憧れる被造物の物語。彼を通して、人間の欲望と傲慢、執着と愛憎の断面をのぞき見る。イギリスの作家メアリー・シェリー(1797~1851)の同名の小説が原作だ。2014年初演当時、第8回ザ・ミュージカルアワーズ「今年のミュージカル」等、9つの部門賞を総なめにし、国産創作ミュージカルの新しい歴史を刻んだ。

 初演でビクター・フランケンシュタイン役を演じ、作品を成功に導いたリュ・ジョンハンが今回の3回目のシーズンに同役で合流した。登場と同時に舞台いっぱいに満ち広がる存在感は相変わらずだ。発声と呼吸の演技、歌唱力、全ての面で非のうちどころがない彼は、よい俳優が作品をどれほど素晴らしいものにすることができるかを身をもって証明する。

 リュ・ジョンハンが演じる主人公ビクター・フランケンシュタインは19世紀、スイスのジュネーブ出身の科学者だ。「不死身の軍人」について研究していた彼は身体接合術の鬼才アンリ・デュプレに出会い、本格的に「生命創造実験」に突入する。そうして作り出された被造物がある日、怪物となって現れ、取り返しのつかない破局へと向かう。

 オープニングから観客を圧倒するリュ・ジョンハンは熟練した手腕で劇を思いのままに導く。彼の歌唱力が爆発するいくつかシーンではビビッと戦慄が全身をめぐる。正確な発声で吐き出される台詞の数々は、しっかりと耳に残り、重みのある声色は作品の重厚感をより感じさせてくれる。アンリ役のパク・ウンテも幸運なことに、劣らない存在感で均衡を保つ。

 すでに完成度については定評のある作品だけに、しっかりした構成を見せてくれる。ビクターが被造物を誕生させる瞬間で幕を開ける1幕は2人の前史を説明することに注力し、2幕ではより華麗な見せ場が繰り広げられる。ただ、ダンサー達が登場する格闘場のシーンはショーミュージカル的な要素が濃く、全体的に浮いた感じを与える。

 壮麗なセットと迫力満点の音楽に目と耳が楽しい。じっくりと考えさせられるメッセージも少なくない。生命の本質に対する哲学的な問いから始まるストーリーは友情と愛のような価値を経て、迫りくる宿命的な寂しさへと到達する。見る者によっては公演後、喪失感を感じることもあるだろう。来る8月26日までソウル龍山区ブルースクエアインターパーク。

クォン・ナムヨン記者
 
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翻訳:リュ・ジョンハンプロジェクト事務局

 

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