【翻訳】ミュージカル『シラノ』記者会見記事その2~完売公約、リュ・ジョンハン「大統領もフリーハグしたんだから…」
前回に引き続き、ミュージカル『シラノ』記者会見記事の翻訳をリュ・ジョンハンさんご自身の発言、およびリュさんに関する発言など抜粋してお届けします。(会見動画&記事その1)
ミュージカル『シラノ』、完売公約、リュ・ジョンハン「大統領もフリーハグしたんだから…」ミュージカル『シラノ』2
2017.05.15
[文化ニュースMHNヤン・ミル記者]
──『シラノ』(チケットが)完売したら、何か公約はある?
リュ・ジョンハン:完売する可能性が高いキャスティングだが、私(の回)まで完売するのは容易ではないと思う。私まで完売したら、大統領が今回していたが、私の回の時にフリーハグを必ず1回したい。
フランク・ワイルドホーン:もっとたくさん、コンサートをしたい。
グスタボ・ジャジャック:完売したら、自分には何ができるか分からない。再び、韓国に戻ってきたい。
──『シラノ』に出演する俳優陣について
フランク:以前のインタビューでもすでに何度も話しているが、世界的に見て、一番愛しているのは韓国の俳優だ。だから、この素晴らしい台本と楽譜をリュ・ジョンハンさんが選んだ素晴らしいキャストと一緒にすると思うとワクワクする。『シラノ』のデモテープはスペインの有名なラファエルという歌手と103人のオーケストラが参加し作った。今朝、アンサンブルの方々の歌を聞いてきたが、彼らの方がもっと素晴らしい。
──「今この瞬間(邦題:時が来た)」のようにオススメしたいキラーナンバーは何?
フランク:1幕にある「Bring Me Giants」だ。素晴らしい歌になると思う。
──練習が始まって1週間ほどと聞いたが、俳優リュ・ジョンハンとプロデューサーとの差をどう見ている?
グスタボ:まず、全ての約束を守ってくれた。プロデューサーは先週の月曜日まで仕事をして、今はただ俳優としてリハーサルに臨んでいる。お互いの約束を守っているし、もしもプロデューサーに変わるようなら、再び歌を歌えと言うだろう(笑)。
練習時間後の6時以降はプロデューサーになることができる。
芸術家としてこのショーを知っているというのが、大きな利点だ。アーティストとしての才能もすごいが、プロデューサーとしての才能もあると思う。才能が十分にあると信じて疑わない。その理由について話す。出会いから今まで、数百ものことについて話をした。デザイン、キャスト、本読み、本当にたくさん助けられた。今まで出会ったプロデューサーの中で一番熱心に仕事をするプロデューサーだ。実はプロデューサーは、全てのことに関与している人ではない。リュ・ジョンハン俳優は、すでに芸術家として、どう仕事に関わらなければならないか知っている。
──『シラノ』は大きな鼻のイメージが定着している。この作品では、どういう風に登場する?
グスタボ:西洋の文化を扱った2作目を韓国に持ってきた。私は韓国人のような俳優と仕事をするのが好きだ。『シラノ』はヒューマニティに関する作品である。韓国人がフランス人のように見える必要はない。この作品は韓国の俳優ともよく合う。時代的な衣装を使うが、俳優たちの顔の変化はないだろう。偽ヒゲやカーリーヘアもない。俳優たちの真剣な姿を見せたい。『シラノ』の鼻は、話のとても重要な部分を占めている。たくさんの時間を鼻のために費やしている。『シラノ』に合う鼻を探すためだった。
西洋の鼻ではないが、韓国的な大きな鼻を作らなければならなかった。それを今回の公演で使おうと努力している。俳優たちがしなければならないことが沢山ある。3人のスター俳優たちがとてもカッコ良すぎる。しかし、カッコよくない役をしなければならない。本当に多くの努力をしなければならない。いつもカッコいい役をしているのに、今回は逆の役をしなければならない。3人のシラノ(リュ・ジョンハン、ホン・グァンホ、キム・ドンワン)たちは、気を付けなければならないことが多い。心から本気で自分が大きな鼻を持っていると考えながら演技しなければならない。コンプレックスを持っている人物なので、鼻だけでなく、そういう演技をしなければならない。
──プロデューサーとして一番難しかったことは?
リュ:一番大きかったのは、自分の立場が変わったということだ。依頼を受ける立場だったが、依頼する側になり“プライドが傷つく”というよりも、戸惑いを感じた。 投資家に会うにしても、誰に会うにしても「これをしてください」と言わねばならず、自分が製作者に今までどれだけ失礼な態度をとってきたのか思い出されたし、優しくならねばと思った。プロデューサーは、上手くやっても悪口を言われ、上手く出来なければ、もっと酷い悪口を言われるという。「なぜお金も儲からないのに、皆プロデューサーをしようとするのだろうか?」と思っていたが、境遇が変わって考えてみると、多くの自己満足を得られた。上手くいけばカタルシスを感じ、ダメなら自責の念を感じるだろう。
今になって、プロデューサーがこんなにも大変な仕事をしていると分かった。もう製作はしないほうがいいと思っている。余計なことをしているとも思うが『シラノ』を上演するのには大きな理由がある。今の時代の精神を反映したり、あえてメッセージを伝えたいという考えは恐れ多くて、ない。『シラノ』は多くの話をする。真の勇気、愛、正義、犠牲などを語る。コンプレックスを持っているが、とても沢山の物語が『シラノ』には込められている。20年間の俳優生活で(作品に出演して)多くのお話をしている。私が愛している作品は『ラマンチャの男』だと言うだろうが、それよりももっと、愛する作品になるだろう。
私は40代後半に向かって走っている。昔は自分のことだけを考えていたが、40代になり、周囲を見渡し、何かを人々に与えられないだろうかと考えた。作品を通して、私がしたい話もしなければならなかった。最近は国民がいろいろと大変だったが、私たちの作品には悪役がいない。皆、いい人しか出ない。この作品は驚くべきメッセージは与えないが、結局のところ愛の物語だ。愛の中には多彩な物語が繰り広げられる。心も温かくなり、希望も見えるし、お互い癒される作品になることを願っている。だから『シラノ』を選んだ。
──『悪魔の弁護人(The Devil’s Advocate)』のミュージカル化はどうなっている?
リュ:『悪魔の弁護人』は正直に言うと止まっている。『悪魔の弁護人』で製作者としてのデビューをしようと思ったが、『シラノ』に出会った。話が大きくなってしまったが、私たちのチームと話をして『シラノ』が良い評価を得て、シラノを成功させたあとに、その後にやろうということになった。台本や音楽は80%~90%ほど出来ているが、それを今、組み合わせて完成させる段階にある。
──初のミュージカルプロデューサー作品だが、失敗することへの心配は?
リュ:実はミュージカル『シラノ』の成功に対する物差しは、どう見るかによって変わる。興行がうまくいった作品、よい評価を得た作品の2つがある。『シラノ』が失敗をしたとしても、何億の損失などは大きな問題ではない。それくらいお金を稼いだからだ。「俳優をしていればいいのに、なぜプロデューサーなんかして、作品をそんな風に作ったんだ?」と言われたら、私は眠れずストレスに感じるだろう。
昨年から全てのことを『シラノ』に合わせ、全ての日程を昨年の12月に終えた。とても多くの部分に口出しをして、演出家のグスタボは懐疑の念を抱いただろうと思う。だから先週あった練習の顔合わせ後は、約束したとおり俳優の道に戻った。
[文化ニュースより]
原文記事はこちら
翻訳:リュ・ジョンハンプロジェクト